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この穴から幸せが見える。
『やわらかい手』 上映終了
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『やわらかい手』は、何が起きるかわからない人生そのものを見事にすくい上げ、その痛快なラストには思わず拍手を送りたくなる素晴らしい人生の逆転劇だ。愛する者のために身を挺す一人の女性の姿を通して、愛はどんな世界でも何よりも強く美しく、どんなときも誇りを失わずに崖っぷちで踏ん張る勇気を与えてくれる。観客は、刺激的な性風俗の世界への覗き見的な興味から、しだいに強くて優しい主人公・マギーの母性的な魅力に心奪われ、その底力が発揮されるときの痛快さに喝采を叫ぶ。普通の主婦・マギーに、捨て身の行動に走らせた原動力は、何の見返りも求めぬ孫への無償の愛。愛する者を守るためには、犠牲も恐れず、何ものにも揺るがない。肝っ玉の据わった彼女は、まさしく女という生き物そのものだ。どんな境遇にあっても誇りを失わず、崖っぷちで踏ん張る姿は、潔く美しい。そして、最後に彼女が手にしたものを見たとき、観客の心は暖かい感動に満ち、ひとりの人間が持つ可能性に勇気づけられることだろう。
圧倒的な母性を持つ主人公マギーを演じたのは、かつてミック・ジャガーの恋人としてだけでなく、貴族出身の気品と美しい容姿で世界中を虜にした伝説のミューズ、マリアンヌ・フェイスフル。スターの座からの転落・ドラッグ中毒・ホームレスなどの壮絶な実人生を乗り越え、女優としての堂々たる復活を果たした。平凡な主婦が自信をつけ、女としての魅力をしだいに開花させていく変化を見事に演じきる。人生のどん底を知る彼女だからこその説得力ある演技と圧倒的な存在感は、観る者の心をつかんではなさない。近年『マリー・アントワネット』(06)のマリア・テレジア役や『パリ、ジュテーム』(06)のガス・ヴァン・サント監督編への出演など、印象的な脇役での出演を重ねてきた彼女だが、本作の脚本を読んで即座にオファーを快諾、『あの胸にもう一度』(68)以来実に38年ぶりの主演映画となる。マギーの揺るがない強さや潔さは、マリアンヌ・フェイスフルその人自身に重なる。彼女は、年輪を重ねた今もなお、「美しい人」であり続ける。
(C)2005 Enter Chien et Loup-Pallas Film-Samsa Film-Ipso Facto Film-Liaison Cinématographique-Ateliers
de baere-R.T.B.F.(Télévision belge)
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■監督:サム・ガルバルスキ/出演:マリアンヌ・フェイスフル/ミキ・マノイロヴィッチ/ケヴィン・ビショップ/シボーン・ヒューレット/ドルカ・グリルシュ /ジェニー・アガター/コリー・バーク/メグ・ウィン=オーウェンほか
■2006年/イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ・ルクセンブルグ/103分/カラー/ビスタ/SRD/R-15/配給:クレスト・インターナショナル
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上映期間
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上映終了
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